Ex-Libris
09

実験作かそれとも
スティールクロニクル ファーストインプレッション
  • タイトル:スティールクロニクル
  • 運営:アーケードゲーム
  • 開発:KONAMI
  • サービス期間:2011/12/07稼動
  • プレイ期間:β9ランク到達

何が始まるんですか?

アーケードゲーム「スティールクロニクル」の感想文。
システム解説はエントリ丸ごと1つが必要になりそうだったので一旦削除。多分、この事自体が何かの問題を暗示しているんだろうけど。

概要

4人協力(COOP、コープ)のTPS。
プレイ中フリーイン、フリーアウト。マッチングは単純にレベル帯で切っていると思われる。

ボーダーブレイク同様のプレイ時間保証型。STE(スティールエナジー)を購入してプレイ。ただし、こちらは明示的にアイテム生産等に使わない限りはカスタマイズ画面他でも減らない。おそらく初期設定では500円で2400STE、22分30秒。
雑魚3エリア程度、巨大ボス1体で終了。おおよそ、5分から10分程度で1ステージ。なお、ボス撃破には制限時間が付いているので火力が低いと悲しい事になることも。

直接ゲームに関係ないが、初回は10分間無料+チュートリアル無料(こちらは常に無料)のキャンペーンをやっている。こういう点は評価したい。

全体進行

雑魚+リーダーエネミー(中ボス)3エリア程度、巨大ボスを最後に倒して終了。途中参加と最初からとは半々。プレイ人口とマッチング幅により変わるかもしれない。
STEが足りなくなって途中終了でも拾った素材はもらえる。まあ、1分程度残ったらレアを狙ってガチャに使って終わらせてもいい。

レベルを上げて装備等の生産をアンロック、CP(おそらくCoop Point)を稼いでアバターを買い、素材をためて装備を作成、強化。基本的にはこれが目的になる。アバターに関してはCPのみ消費、装備は素材とSTEを消費。

面白い点としてはミッション成功でゲージがたまり、キャラクター別に用意されたストーリー…というか猫を飼ったりというミニエピソード的なショートコメントだが…が進行する。
ゲーム的には別に重要でもないのだが、キャラクターを前面に出している点として興味深い。

気になった点としては装備品の熟練度仕様。
熟練度はスーツのタイプごとではなくライフルなどの装備カテゴリごと、装備カテゴリ内での強化上限と派生装備作成は装備熟練度が必要なため、今後の調整次第では産廃化したカテゴリを育てた状態で高レベルになると詰む可能性がある。
レベリング、マッチングとも絡む根本的な部分なのでここは不安要素。

操作系

初回は必ずチュートリアルをプレイ、コントローラー感度と上下左右反転は試しておく事。
上下方向の照準(視点)移動が行き過ぎがちになる関係で、最初は感度を少し低めにして慣れたら適宜上げていくと良い。
ただ、正直なところ操作系は独自の物を採用した結果、お世辞にも成功しているとは言えない状態に。あまりにも合わないならば無料キャンペーン分を遊んで様子見でも良いかもしれない。

タッチパネルの感度は何故か終了ボタン(右上のしいたけ)が鈍いだけで特に問題ない。
しかし、そもそもが実質カスタマイズ画面とチャットパネル、補給実行ぐらいしか役に立っていない。敵の弱点にポインタをつける、「俺がやる」位は出来てしかるべきだろう?

プレイフィーリング

雑魚の攻撃はかなりぬるく、ちゃんと見て事前に撃ち込み始めていればおおよそ間に合うようになっている。ただし、何発受けても大丈夫というわけではなく、当たればそこそこ減るには減る。受けるダメージに関しては意外と悪くない範囲に納まっている。
素材は完全に踏まなくても近くに行けば吸着、回収。拾うのが面倒という感じはなかった。ただ、放っておくと時間経過で消えるようなので注意。

ボスだけではなく道中の雑魚も、基本的に弱点部位以外は撃ってもほとんどダメージが入らない。…が、フリーインアウトで誰も遠距離武器を持たなかった場合も大丈夫なようにか、ボスでは必ず手が届く地面近くに1箇所以上弱点が配置され、ショットガンが猛威を振るう笑えない状況に。

装備とも関係するが、ダメージ増加とボス体力のバランシング、マッチング幅の失敗により「上位レベルに行くほどミッションが成功するようになる」という逆転現象が起きている。εでは半分程度しか成功できず、β以降では失敗知らず。適宜調整は入るだろうが、これは新規を殺しかねない。

ゲーム中のチャットに誰かが返事を返す(返すチャット種別の制限など、詳細な仕様は不明)と「Reaction」成立。取得がCP増加したりする。まあ、最初は「よろしく」「よろしく」「ありがとう」「どういたしまして」だけで良い。伝統の「よろおつオンライン」である。

グラフィック、サウンド

グラフィックは粗くもないが、空気を作れてもいない。視認性とは別に建物などが綺麗過ぎて生活観もなく、ジオラマの中で遊んでいる感が強い。
遺跡の中にある撃つと誘爆するオブジェクトが露骨なガスボンベで「GAS」は無いだろう。爆弾型の虫の卵を置いて、チュートリアルで「撃つと爆発します。上手く使えば役に立つけど巻き込みに気をつけてください」くらいはやってくれ。

サウンドではボイスで特に顕著だが、高音がきつく出すぎ。音量調整の設定が貧弱なのもあって、耳がかなり疲れる。
敵の攻撃を音で避けたりという要素が今はあまり無いので、これは将来的に何か考えて欲しい。

打撃感の無さは全般的な問題で、当たって気持ちよくないのもそうだし、倒した敵の消滅も薄味。敵が転んだのか死んだのか、場合によっては何かの攻撃モーション待機なのかも分かりにくい。
繰り返しゲーなだけにこれは地味に人が離れる原因になるかもしれない。

総合

ゲームとしては一応は成立している。あとはアバターの魅力なりのためだけにどれだけ資源投下する気があるか。

協力感については正直、全くない。ボダブレで同程度クレジットを投下した初期と比べても、NICEを押したくなるような場面がない。フリーインアウトのゲームの宿命的な部分という面はあるが…。
ステージもボス種類も少なく、新たな発見もない。素材集め周回のMOと同じであるため、家庭用で出せば…などと言われてしまう一因になっている。

チャットパネルのカスタマイズで同カテゴリを複数登録できたり、同じ「ありがとう」でもボイス自体を複数用意するなど面白い部分はあるのだが、いかんせんこれをアーケードでやると試行錯誤をじっくり楽しむという遊び方はできない。
アセンブルがゲーム内の時間制限とはいまいち相性が良くないということを再確認してしまった。

補足:覚えておくと良いこと

・チャットはいくつか生産すると「カテゴリ自体が増える」
「どういたしまして」は増えたカテゴリ内にあるので使いたければいくつか生産を進めておくとよい。
・至近距離では銃口位置の関係で照準の場所に飛ぶ前に手前の敵パーツに着弾する
当たり前ではあるけれど、接射が意外と多いのであわてている時には注意。
・アバターパーツはその部位を生産した数で新カテゴリが出る
服で水着が欲しければ初期のパイロットスーツ(コネクトレイヤーだっけ?)をまとめて生産すればおそらく最短で出現。
・ガチャは「リアル時間で」3時間ごとに追加
その日の初プレイで回しておこう。

補足:世界背景、キャラクター

キャラクターの魅力はとりあえず文句なし。というか、その部分にかなりを負っている。
世界背景はどうにもいまいちで、あの程度の「柔らかい」装甲しか持たない敵があの程度の数しか存在せず、別段壊してはいけない建造物の中で戦うわけでもない(※1)のに、何でわざわざ少年少女がパワードスーツを持ち込むのかという説得力がどうにもない。

※1
ボーダーブレイクでは「ニュード」という存在と、ただ1社しかない独占傭兵派遣会社にそのあたりを集約している。遺跡での戦いは地元政府の抗議を誰もがシカトしているという設定…ひどい話である。

補足:コントローラー

「アーケードならではの独自のハードウェア」がないと企画が通らなかったのか…。正直なところ、失敗作と言わざるを得ない。
移植前提であるからだとしてもうまく行かない側に最初から合わせるのは間違いだろう。

ゼロからの発想ならばともかく、マウスという、発明から半世紀を生き残った現状最高ランクのポインティングデバイスを捨て、更に劣るとか何をやっているのか。やるべき事ができなかっただけではなく、やってはならない事をやった。
端的に言って、「左クリックメイン射撃、右クリックサブ射撃、ホイールとサイドボタンで武装切り替え」を採用しない意味を説明できると思えない。PCがこれだけ普及した現在、独自のハードウェアの方が敷居が高くなるし、一体何がやりたかったのか…。