Ex-Libris

今まで買ったマウスいくつかについて。使い心地など。品質面については、統計を取るだけの数を調べないと変な個体に当たっただけなのか分からないので除外。

誰得情報ですか?

ゲームの話がしたいのでなければ、色と形が気に入って店頭で一番動かしやすかったものを買えばよい。それ以外ではゲーミングマウスは無用。
各種ショートカットを必要とするグラフィックス(意外にもCAD関連の仕事でゲーミングマウスと左手用キーボードが評価される事がある)などの作業はあれど、そういったものはわずかな例外。

実際、多機能や高精度を宣伝するマウスは需要的にゲーマー向けにしか売り込めず、ゲームに向いているのか疑問な物までゲーミングマウスとカテゴライズされていたりする。
作り手側の政治的事情から延々と機能を付け足して袋小路に入ったガラケーともども、一定のラインに達してしまった商品ジャンルに不可避なものなのかもしれない。

使用者のスペック

筆者のスペックは以下の通り。
・手は小さい部類、小型のマウスでちょうど良い、モバイル用のミニキーボードが5本指で簡単に打てる
・ゲームはライトなものが中心、トイウォーズやFEZ、ドラゴンネストなど
・MMOはスキルパレットをマウスで叩かない、MMOでは単純にハードウェアとして持ちやすいか
・マウス購入の予算は数千円程度

DHARMAPOINT DRTCM15BL

現在愛用しているのがこれ。
左右クリック、ホイール、マクロ登録可能な左側面2ボタン、登録した4段階から感度(※1)を選択する上面1ボタン、登録したプロファイル(※2)を切り替える底面1ボタン。
最大の特徴としてはセンサー位置が左上(人差し指と親指でつまむ延長線上)に配置されていること。感度を高くして最小限の動きで操作するならば、手に馴染むか試す価値はある。
小型で軽量。

ハードウェアとしては「マウスの中にキーボードが入っている」として認識されるらしく、ネットゲームのガードソフトをすり抜けてしまうようだ。体験したことはないのだが、逆にゲームガードに弾かれる例もありうるのではないかと思う。
マクロはキーダウンとアップを別に登録できるなどかなり高性能。が、前述の通りその性能ゆえにどこかで禁止される例があるのかもしれない。

あくまで体感だが、このメーカーの製品はハズレ個体に当たった例からか品質の評価があまり良くない傾向を感じる。それほど脆い作りではないと思うのだが…。

(※1)
正確には感度という用語ではないと思う。ここではマウスの移動距離に対するポインタの移動距離程度の意味。
(※2)
キー割付などの設定。

Logicool G700

左右クリックとホイールに加えて左側面4ボタン、上面左端3ボタン、中央1ボタンの多機能マウス。
無線(単3電池1本)と有線(USB接続)を選択可能。
その他の特徴として、ホイールの回転を標準的な一定間隔刻みと無段階の回転を選択可能。無段階回転は非常に軽いのでゲームでは時に持て余すものの、ネットサーフィン等で好む人もいるとか。

ゲームではドラゴンネストで使用。アカデミック(ユニット設置系の職業)でスキルパレット入れ替え+全枠使用でキーボードのみの操作に限界を感じたため導入。大型で重いためマウス感度側を調整して使用。
人によっては上面左側のボタンは角度的に押しにくいかもしれない。標準的な体格ならば慣れの問題だと思うが、フルに全ボタンを素早く押す用途ならば、できれば試用してから購入したい。

なお、欠点として有線ではコードが妙に堅く、無線では電池で更に重くなる上消耗が激しい(ヘビーゲーマーなら1日で使い切るのでは)。無線で使う場合にはエネループなりを買っておいたほうがいい。

Razer Diamondback

もしかしたら絶版かもしれない。
左右クリック、ホイール、両側面ボタン。老舗らしくハードウェアとして堅牢に仕上げて来た一品。かなりの大型の上、クリックボタンを大きく取っているのが特徴。
発売されてあまり時間が経たない頃に買ってソフトウェア系がこなれていなかったため、「しっかり作られたマウス」として使っていた。そのためユーティリティ類についてはコメントできない。
個人的には、体格から重さと大きさが合わずに精度を活かしきれなかったためにプラスの印象も特にないのが本音だが、頑丈な作りに安心したのは覚えている。

90年代からゲーミングデバイスを作っているため、メーカーの評価は高い。
左側面だけで12ボタンを持つ「Naga」のようなキワモノから、オーソドックスなデザインの「DeathAdder」に左手用を用意するなど意外と芸が細かい。全般的に価格がやや高めなのが欠点か。

購入後の注意

ドライバを必ず、できれば安定したバージョンを入れること。また、保証期間中は箱を捨てないこと。

スイッチやホイールなど機械的な稼動部品にセンサーが付属し、PCパーツ内ではキーボードと並んで最も激しく動かされる。当然、故障する可能性もあるので保証書と共に保管しておくこと。

ドライバに関しては軽く検索して「このバージョンは地雷なのでまだ手を出すな」がないかを調べたほうが良いと思う。一部のゲームと干渉を起こす、といったこともあるので古いマウスも予備として取っておくといい。

VISAがネット決済用として作ったV-PreCa
Pixivにも広告があるので(あの広告のキャラクターは見当たらず、シュールな電子マネー型のキャラがいるだけなのだが…)知っている人も多いかもしれない。
端的に言って、クレジットカードとしても使える前払い(チャージ)式電子マネーだけど、いくつか注意点があるのでまとめてみた。

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Winny開発者無罪確定やらその日のうちに自炊業者を訴えたりやら。
コピーやらの問題はあるし何とかする必要はあるけど、まずは前提条件の検査は必要だと思う。
現在のところ自炊業者提訴は完全に政治的パフォーマンスと見ているけど、それが何かまずい扉を開くかもしれない。

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メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。

メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。その魚はなんとも生きがいい。
それを見たアメリカ人旅行者は、
「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」
と尋ねた。 すると漁師は
「そんなに長い時間じゃないよ」
と答えた。旅行者が
「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」
と言うと、漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。
「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」
と旅行者が聞くと、漁師は、
「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、
女房とシエスタして。夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって…
ああ、これでもう1日終わりだね」
すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。

「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。
いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。それであまった魚は売る。
お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。やがて大漁船団ができるまでね。
そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキシコシティに引っ越し、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。
きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」

漁師は尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「20年、いやおそらく25年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
「それで?」
「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て、
日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、
夜になったら友達と1杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。
どうだい。すばらしいだろう」

良く知られたコピペだ。
ただむしろ皮肉というよりは、これに対してどんな感想を抱くかで受け手の考えを浮き彫りにするという意味で秀逸だと思う。

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“Art, literature, drama, film, song, they’ve all embraced story, but they all tell it in their own unique way. I feel like we need to deliver our story in a way that is uniquely videogame. We need to engage our audience by letting them be the hero, the villain, or the victim…We are very fortunate that we work in a medium where we can use all of our other art forms to tell our story, but we need to engage our players in sort of an inspiring experience. The sooner that we accept that we are not Shakespeare, we are not Scorsese, Michelangelo, Tolstoy or the Beatles, the better off we are. If it makes us feel better, Shakespeare couldn’t 3D model his way out of a paper bag, Scorsese couldn’t program ragdoll physics, and the Beatles are pretty lousy at balancing three unique race on an RTS battlefield.”
“We need to stop writing a ******* book in our games,”

GDC 09: Breaking Down World of Warcraft – PC Feature at IGN

芸術、文学、演劇、映画、音楽、これらは全て物語を持っている、しかし、全て違う方法によって、だ。僕たちはビデオゲームならではの方法で物語を伝える必要があると思う。
僕たちは、僕たちの観衆を雇う(プレイヤーに物語の役を演じてもらう)必要がある。英雄として、悪役として、…時に犠牲者として。非常に有利な点として、僕たちの仕事の媒介として先に挙げた他の物語の手法を使うことができるということがある…が、それには観衆の感動をいくばくか喚起し、そして体験してもらう必要がある。
まずは受け入れよう、僕たちはウィリアム・シェイクスピアではないし、マーティン・スコセッシでもミケランジェロでもない、トルストイ、ビートルズ、…偉大なる彼らのどれでもない。
あるいはこう簡単に考えればいい、シェイクスピアは3Dモデルで紙袋を作り出せはしないだろうし、スコセッシはラグドール物理演算プログラムを組めないだろう、そしてビートルズにやらせれば3勢力のRTSのバランス調整は(思い切り控えめに言っても)かなり悲惨なものにしかならないはずだ。

僕たちは、僕たちのゲームの中で、そびえ立つクソその物のホン(脚本)を書くのを止めなければならない。

訳注
マーティン・スコセッシ:アメリカの映画監督
ragdoll:「ぬいぐるみ」の意、人体がダメージを受けて倒れる際の表現のための物理演算

何が始まるんですか?

冒頭の引用はWoWの開発者のインタビュー記事の抜粋。実はこれ、とあるネットゲームのレビューに付けようと思ったところ、何だかこの穴に落ちたゲームが大量にあってどうした物か、とエントリを割くことにした。

ゲーマーとうっかり呼ばれる可能性がある位に遊んでいるならば、作り手のエゴがむき出しになった要素にぶつかった経験はあるはずだ。それがネットゲームならゲーム自体が熱中させる仕組みの上であるだけに、包丁持ったダディクール(分からなければスルーしていい)状態になったことすら。
で、そういった要素をせっせと混ぜ込んで楽しい時空間を台無しにしている開発者のインタビューを読むと、恐ろしい事に気付く。彼ら、ほぼ確実に悪意は無い。

(さらに…)