Ex-Libris
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【ネトゲ始末記】カーゴ・カルトの失敗生態系
メビウスオンライン
  • タイトル:メビウスオンライン
  • 運営:ゲームポット
  • 開発:ClickChop
  • サービス期間:2011/04/06から
  • プレイ期間:クローズドβから

概要

ファンタジーアースゼロ(FEZ)の成功に気を良くしたためとの噂もあるゲームポット実質自社開発のTPS。
仮称「GPS」としてテストしていたものを改題してサービス開始。

アバター機能を充実させて(完全に能力と無関係に好きな服を着られる)声優は選択制で豪華なメンバー。時代を超えての世界観で無節操な拡張を可能(※1)に。FEZとパンヤの良い所取りを狙える運営会社。
15000人のテスター枠は使い切られて鳴り物入りでβテストが始まったはずなのだが…。
現状、推測で(※2)同接は平日昼頃で50前後かそれ以下。デイリーミッションの時間帯は最大で260から330といったところ。甘めにカウントしてこの数字というコメントに困る状態。

(※1)
が、どうもこの歴史調律世界観、意外と融通が利かない。剣と鎧の中世、銃の現代。「時代で」分けた場合ここから先の拡張で共通意識を取るのは難しい。
黎明期のピストルとサーベルで博物館と飛行船上で大立ち回り、などというインチキ臭い方向もありえるとは思うが、細かく時代を分けるためには想像以上に連続性を含んだストーリーなどの作りこみが必要なのだ。
現実的に見て、あとは宇宙時代のポワワ銃か、あるいは第3次世界大戦後の石斧くらいしかできないのではないだろうか。

(※2)
募集中の部屋に何人いるかの実数がアップデートで分からなくなった。
危機に瀕したダチョウが砂の中に頭を埋める程度には有意義な対応である。

先に総括

復活の目はないと思う。
テスト時点での同接数と現状を見比べれば、既にプレイした上で見放した層が多すぎ、再度の宣伝で知名度を上げてユーザーを増やすのは無理であり助からないという予想になってしまう。
うっかりするとSkyrim(※1)が中程度以上の負荷設定で動くパソコンが求められるため、元からターゲットとできる層は狭い。
「当初よりは」良くなったとして、今現在、他の山ほどある無料ゲームなりと戦えるのかというとやはり厳しい。

ただし、アバターシステムは出色の出来栄えでカメラ機能はネトゲ最高ランクという点をもって、明日(誇張でもなんでもない)サービス終了が発表されうるスカポンタンなゲームに金と時間を注いで惜しくない、というならば止めはしない。
ようこそ燃える豚小屋へ。気楽にやるといいわよ。

(※1)
オープンフィールド(箱庭)型ゲームの怪物級タイトル。一人プレイ用。キャラクターが泥臭すぎるが、MOD(非公式拡張モジュール)を入れればおおよその不満は解決する。ゲーマーを自認するならば遊んで損はない。
あるいはロマンシングサガの見た夢に近いものがあるかもしれない。
その特性上、必要なスペックは高め。もっとも、実現していることと比せば相当に軽いという話もあるが。

カーゴ・カルト

プレイヤー誘導の失敗や悪例の塊と化したユーザーインターフェースといった点はFEZからもろに引きずってしまっているし、「死に戻り」でしか各戦線への戦力配分調整ができないデザインはFEZのようなバランスでなければうまく動かない。
その一方ではFEZで確認できた「武器もアバターの一部として同一能力であれ売れる」「能力バランス調整を伴わずに装備を増やして目新しさを保つ」という成功例はほとんど活かされず、当初は対戦チーム内チャット(※1)が存在しなかった。

無駄な場所を作りこんで資源を浪費したり、不必要なパラメータを増やしすぎて身動きが取れなくなったりと、はっきり言えば「仕事をしたふり」が酷い一方、その一方で統括するべき人間も実は何が起きているのか理解していないという気配がかなり強い。
荒れるので話題にするのが嫌がられる対戦の固定パーティーやリーダーからのリスポーンも、出撃拠点の仕様などの全体調整をした上で変更することができずに強引に悪平等にするか数値的な不利条件を後付け。
どうにも指揮を取る人間が何の確信もなく試行錯誤で組み立てをしているという疑いが捨てきれない。

(※1)
余談だが、FEZの「軍範」チャットは最初からあったわけではなくアップデートで付け加えられた。
当時のプロデューサーはゲームに何が必要かをかなりしっかりと掴んでいたようで、その他にも建築関係の細かい仕様改善は比較的初期に行われている。

10年から学ぶべきもの

もはやタイトル変更をして根本から手を入れるところまでやらない限り(いくばくかは実質的なワイプも必要だろう)どうにもならないだろうけれど、ゲームの成否とは別として手痛い失敗は次に活かされるだろうか?

ゲームポットに限らず、ネットゲームの運営は少なからず「学生的なノリ」が見える。反感を買うような失敗イベントや滑った企画の中にはまともな会議があれば却下されているはずの物も多い。(お前このクソ企画どの層に刺さるのか説明してみ?)
でも既にユーザーの目は肥え、使う金額も限界に近くなり、商売の匂いが気付け薬となって醒めた人も多い。
そろそろ、真面目な分析やノウハウの蓄積、まともなサービス業への道を歩むべき段階だと思う。ガチャの雲行きも怪しいしさ。

このゲームは「10年間培ってきた」ものがクソの塊だというプレゼンになってしまった。
でもまだそこから何かを拾うのは間に合う。次こそ真剣に、謙虚に。

おまけ:美しすぎる新時代アクションの軌跡

2011年2月、社長の展望
「ゲームポットがこれまで10年間で培ってきた経験,実績,ノウハウに,プレイヤーからの要望を加えて,ぎゅっと凝縮させたタイトルがメビウスオンラインです」

2011年3月、クローズドテスト
この時の合計10000名+2ちゃんねるに貼られた招待シリアルは全滅するほどの盛況ぶり

2011年4月、大絶賛プレイ記事(広告枠ではない)
が、なぜかこれ以後はアップデート内容を流し込む記事のみ

だがしかし、ゲームポットには2010年内サービス開始予定の隠し玉がある…!
ちなみにお値段7.5億円(当時)