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ヘヴィーオブジェクト 死の祭典
  • タイトル:ヘヴィーオブジェクト 死の祭典
  • 著者:鎌池 和馬 (著), 凪良 (イラスト)
  • 出版社:アスキーメディアワークス
  • 形態・レーベル:電撃文庫
  • 価格:¥578
  • 発売日:2011/11/10

「とある魔術の禁書目録外伝」の作者が贈る、近未来アクション。シリーズ5作目、ストーリーとしては外伝1作目。
ストーリーとしてはオーソドックスなB級アクションにライトノベルのキャラクターを入れ込んだ形。細かい設定は今回はあまり関係なく、タイトルにもなっているヘヴィーオブジェクトも名前くらいしか出てこない。

舞台は既刊シリーズと同じ近未来。ショービジネスとして再定義されドーピングもデバイス使用も有りになった「オリンピック」に、泥沼の戦場からやってきた空軍エースパイロットの少女。
順調妥当に勝ち上がるも、その陰にはある目的からテロを画策する勢力が…。

既刊シリーズでは少なからずパターン化し始めた話の流れに対して、1巻丸ごと使っての開き直ったB級アクション。まあ、兵器やら物理法則で何かが違和感を訴えるかもしれないがそれは横にどけておけばいい。
主人公があまりにも優等生かつ万能過ぎる(そして、そもそもこの舞台に立った理由がやや薄い)気がしなくもないが、この話で自分を探したり使命に目覚めたりされても無用であるし鬱陶しいだけだろう。滅び行く最後の騎兵的なポジションでもあるし、キャラも立っているのでせっかくならば本編に出してもいいと思うのだが。

シリーズ未読でも「戦局を単騎で決める超兵器『ヘヴィーオブジェクト』がある」「かつての『国家』枠は解体され、イデオロギーにより色分けされた世界」だけ覚えておけば問題ない。ただし、そういった点に不自然さや納得を求めるならば本編側はおすすめしない。

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